地球温暖化の影響で、気温が上昇していることを実感する人も多いこれからの季節。
7月に入り、急激な気温上昇とともに熱中症で運ばれる人が増えています。
屋外での作業中や、学生が体育の授業中に体調を崩すケースなども多いですが、
近年増加しているのが「室内熱中症」です。
節電のためとエアコンを使用せずに過ごしていると、室内でも熱中症の危険があります。
この暑い夏を、節電しながら快適に過ごす方法はあるのでしょうか?
1.地球温暖化と熱中症
地球温暖化の影響で猛暑日が増加し、熱中症になるリスクも年々高まっています。
- 気温上昇: 地球全体の平均気温が上昇することで、夏の日中の気温が上がり、熱中症のリスクが高まります。
- 熱波: 地球温暖化により、熱波と呼ばれる極端な暑さが発生しやすくなり、熱中症のリスクが高まります。
- 湿度上昇: 地球温暖化により、大気の湿度が上昇し、汗が蒸発しにくくなり、体温が上がりやすくなります。
- ヒートアイランド現象: 都市部では、コンクリートやアスファルトによる熱反射や、熱を発する自動車などの増加により、ヒートアイランド現象と呼ばれる高温化現象が発生し、熱中症のリスクが高まります。
2.熱中症になるメカニズム
熱中症は、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がたまって体温が上昇することで生じます。高温多湿な環境下ではもちろん、室内でも熱中症の危険性は高まります。
熱中症の主な原因
- 高温多湿な環境:気温が高いだけでなく、湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体温が上がりやすくなります。
- 脱水:汗をかくと水分だけでなく、塩分やミネラルも失われます。脱水になると、体温調節機能が低下し、熱中症になりやすくなります。
- 体力消耗:運動などによって体力を消耗すると、体温が上がりやすくなります。
- 体調不良:睡眠不足や体調不良によって、体温調節機能が低下し、熱中症になりやすくなります。
- 基礎疾患:心臓病や糖尿病などの基礎疾患があると、熱中症になりやすくなります。
- 高齢者・乳幼児:体温調節機能が未発達または低下しているため、熱中症になりやすい。
3.室内熱中症
エアコンの効いた室内でも、熱中症は発症することがあります。近年、高齢者の一人暮らしや在宅勤務の増加などにより、室内熱中症のリスクは高まっています。
室内熱中症の特徴
- 外気温が低い場合でも発生する: 室外が涼しくても、エアコンの効きすぎや換気不足などにより、室内が蒸し暑くなり、熱中症になることがあります。
- 高齢者や乳幼児が特に注意が必要: 体温調節機能が未発達または低下しているため、室内熱中症になりやすいです。
- 症状が分かりにくい: 喉の渇きや立ちくらみなどの症状が、エアコンの効きすぎによるものと勘違いされやすいです。
室内熱中症の注意点
- 室温と湿度を適切に保つ: エアコンの設定温度を28℃程度に設定し、湿度も50~60%程度に保ちましょう。
- こまめに水分補給をする: 喉が渇いていなくても、こまめに水分補給をしましょう。
- 換気をこまめに行う: 室内の空気を入れ替え、新鮮な空気を取り入れましょう。
- 一人暮らしの高齢者や体調のすぐれない家族に注意する: こまめに様子を確認し、必要な場合はサポートしましょう。
4.エアコンをうまく使う
室内熱中症になるケースとして、エアコンを付けずに我慢してしまうということがあります。エアコンの風が苦手、節電対策でつけない、などの理由がありますが、エアコンをうまく使うことで節電しつつ、快適な空間をつくることができます。
エアコンをつけた直後は低い温度で急速に部屋を冷やし、その後は28℃を目安に設定
電気代がかかってしまいそうに思えますが、一気に冷ましたあと28℃程の設定に保てば、結果的に電気代が抑えられることがあります。
扇風機を併用して部屋の空気を循環させる
冷気は下に溜まってしまうので、扇風機などを使い部屋の空気を循環させることで、お部屋全体の温度を下げ、快適さを保ちます。
換気も忘れずに
せっかく冷えた部屋ですが、エアコンを使うことで空気が乾燥してしまいます。室温が快適になると乾燥していることに気づきにくく、水分を取らず脱水症状を引き起こしてしまう可能性があります。定期的に外の空気を取り込んで乾燥を防ぎましょう。
5.まとめ
熱中症にならないためのポイント
熱中症の対策としては、エアコンをうまく使い、からだに負荷のない温度、湿度で過ごすこと、また水分補給をしっかりすることです。
汗をかくとミネラルも不足するので、塩飴やスポーツドリンクなどを摂取するのもおすすめです。
今年の夏も厳しい暑さが予想されています。熱中症のリスクも高まっているため、一人ひとりがしっかりと対策を講じることが大切です。
地球温暖化対策も忘れずに
地球温暖化の影響で、猛暑日が年々増加しており、熱中症のリスクも高まっています。熱中症対策と同時に、地球温暖化対策にも取り組むことが重要です。
- 省エネを意識する: エアコンの設定温度を控えめにしたり、こまめに換気をするなど、省エネを意識した生活を送りましょう。
- 公共交通機関を利用する: 自動車の利用を控え、公共交通機関を利用することで、CO2排出量を削減することができます。
- 植樹活動に参加する: 植樹活動に参加することで、CO2を吸収し、地球温暖化防止に貢献することができます。
今年の夏は、熱中症対策と地球温暖化対策の両方を意識し、健康的に過ごしましょう。一人ひとりの行動が、地球温暖化防止につながります。
参照:熱中症ゼロへ
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