近年、住宅街や公園など、身近な場所でのクマの目撃情報が各地で増えています。
小学校の校庭に現れたり、車の走行中に急にクマが飛び出し衝突する事例など、私たちの生活圏とクマの生活圏が曖昧になってきています。2023年には流行語大賞に「アーバンベア」が選出されるほど、クマの市街地出没は深刻な問題となっています。
- クマ出没増加と地球温暖化
- 市街地におけるクマの行動
- クマが出没する地域の安全対策
- クマ被害を増やさないために
- まとめ
1. クマ出没増加と地球温暖化
なぜクマたちが市街地におりてきているのでしょうか。
原因は主に以下の3点が挙げられます。
原因① 気候変動
地球温暖化の影響で、春の訪れが早くなり、冬眠から目覚めたクマが自然界で食料を見つけるのが難しくなっています。
クマが食べるどんぐりが、温暖化の影響で少なくなっており、エサを求めて人里まで降りてきていると推測されます。
クマたちの暮らす場所の平均気温が1度上昇すると、食物連鎖に大きなな変化が生じるとされています。
原因② 環境破壊
クマたちが暮らす森林が都市開発などによって縮小し、食料を求めて市街地に降りてきています。森林が減ることはクマたちの生活に深刻な問題となっており、私たち人間が伐採してしまったことにより、クマたちの生活圏を変えてしまったということです。
原因③ 高齢化・過疎化
林業や農業は深刻な跡継ぎ問題もあり高齢化が進んでいます。手入れできずに放置された森林、耕作放棄地が増えると、私たち人間と野生動物たちの境界線があいまいになっています。過疎化が進み放置された農地や果樹園には食べ物があるので、クマの目撃も年々増えていると報告があがっています。
2. 市街地でのクマの行動
市街地に降りてきたクマは、住宅街や公園など、人の生活圏に侵入することがあります。特に、ゴミの管理が不十分な場合、においを発しやすくなるので、つられてクマが出没しやすい傾向にあります。
近年では、警戒心が低下したクマが、人間を恐れず接近するケースもあるため、問題となっています。
3.地域の安全対策
クマ出没増加に伴い、自治体では様々な対策を講じています。
安全対策① クマの出没情報
クマの出没場所や生育数などの最新情報を収集し、市民への注意喚起を充実させています。
安全対策② ゴミの管理
先ほども記載したように、ゴミのにおいにつられてクマたちが市街地に降りてきます。生ゴミは密封して臭いを出さない、乾燥させ臭いを発生させない、などすることでクマたちの出没を減らすことができます。
安全対策③ 住み分けを徹底
クマたちが好むどんぐりなどが山に豊富にあれば、クマたちが市街地に降りてくる確率を減らせます。
どんぐりなどの木の実を山に適切に配置することで、クマたちが移動する距離を人間の手が管理することも可能になります。
また、果樹園や畑などには電気柵を設けることで、クマの侵入を防ぐことができます。
安全対策④ 捕獲と駆除
最終手段として捕獲や駆除が行われています。捕獲したクマを山に返す場合は、またすぐに人間の生活圏に降りてきてしまわないように適切な場所の選定が必要不可欠です。
しかし、上記の対策はこれまでにクマが出没をしていた地域がほとんどです。今まで現れなかった地域にもクマが出没しているので、対策を急ぐ自治体も少なくないです。
4.クマ被害を増やさないために
クマは元々人間を襲うような動物ではありません。しかし、間違った行動をとってしまうと、命に関わる危険性があります。
クマと安全に共存するためには、クマの生態や行動を理解し、適切な対策をとることが重要です。
- 温暖化対策に取り組む
- ゴミを適切に処理する
- クマについて理解を深める
- クマとの共存活動に参加する
5.まとめ
クマ出没増加は、環境問題と密接に関係しています。私たち人間は、クマの生育地の森林を開拓し減らしてしまったり、気候変動に歯止めをかけなかったりしてきたことに責任があります。
今後は、温暖化対策やゴミ処理の徹底、クマとの共存活動などを通して、クマ被害をこれ以上増やさないように努めていく必要があります。
クマ出没問題への理解を深め、人とクマが共存できる社会の実現を目指しましょう。
参照:ロスゼロ
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