COPとは、「Conference of the Parties」の略で、日本語にすると「締約国会議」となります。
これは、地球温暖化を防ぐための国際的な取り組みである「国連気候変動枠組み条約」を締結した国々が集まり、気候変動問題について話し合う会議のことです。
今年29回目となるCOP29は、2024年11月11日から22日まで、アゼルバイジャン共和国のバクーで開催されます。
❶ COPとは?その変遷
COPは、1995年にドイツのベルリンで開催された第1回(COP1)以降、毎年開かれています。COPでは、各国が合意できる具体的な行動計画やルール作りを行うことを目指しています。1997年のCOP3では、京都議定書が採択され、先進国に対して温室効果ガスの排出量を1990年比で5%削減することが求められました。京都議定書は、国際的な温暖化対策の歴史的な転換点となり、各国が協力して地球温暖化を防ぐための具体的な目標を設定するという流れの、重要な一歩となりました。
そして、2015年に採択された「パリ協定」では、世界の平均気温上昇を2℃より十分下、できれば1.5℃に抑えるという長期目標を定めた歴史的な合意となりました。
<主なCOPの変遷>
1992年 | UNFCCC(国連気候変動枠組条約)が採択 |
1995年 | ベルリン(ドイツ)で初のCOP1が開催 |
1997年 | 京都(日本)で開催のCOP3で、「京都議定書」が採択 |
2015年 | パリ(フランス)で開催のCOP21で、「パリ協定」が採択 |
2021年 | IPCCが第6次報告書(WG1)を発表 グラスゴー(イギリス)で開催のCOP26で、「グラスゴー気候合意」採択 |
2023年 | COP28がドバイ(UAE)で開催 |
2024年 | COP29がバクー(アゼルバイジャン共和国)で開催 |
❷ COPでは何を話し合っている?
COPは、気候変動対策を促進し、温室効果ガスの削減と適応戦略を具体化するための国際的な場です。以下の活動のために多国間で話し合います。
- 多角的な協議:多方面から気候変動問題を議論
- 事例の共有:各国が進展や成功事例を報告
- 進捗評価:成果を評価し、課題を明確化
- 合意形成:対策を調整し、実施に向けた合意を目指す
この会議を通じ、持続可能な未来の実現が目指されます。
昨年のCOP28では主に「緩和」「ロス&ダメージ」などの話し合いが行われました。
また初のグローバルストックテイクが実施され、決定が採択されました。
全体の成果文書にはCOPの歴史上初めて地球温暖化や気候変動の原因が「化石燃料」であると明記され、「10年間に脱化石燃料の行動を加速させる」と数値つきの目標が盛り込まれました。
参考サイト:https://unfccc.int/
https://fij.ng/article/full-list-countries-participating-in-cop28-and-their-delegate-sizes/
❸ COP29で主要となるテーマは?
では、COP29では、主にどんなテーマについて話し合われるのでしょうか?
これまでのCOPの議論の流れや、世界の状況を鑑みると、以下のテーマが特に注目を集めるのではないかといわれています。
- 気候変動の影響への適応策の強化
世界各地で極端な気象現象が増加しており、その影響を軽減するための具体的な対策が求められています。特に、脆弱な地域やコミュニティに対する支援策や、自然災害への備えなど、適応策の強化が喫緊の課題となっています。 - 気候変動対策のための資金調達
先進国から途上国への資金支援は、気候変動対策の成功に不可欠です。しかし、十分な資金が提供されているとは言い難い状況です。COP29では、この資金調達の仕組みを改善し、途上国の気候変動対策を支援するための新たな枠組みが議論される可能性があります。 - エネルギー転換の加速
再生可能エネルギーへの移行は、気候変動対策の鍵を握る重要な課題です。COP29では、再生可能エネルギーの導入を加速するための政策や、化石燃料からの脱却に向けた具体的なロードマップが議論されることが期待されます。 - 自然に基づく解決策の推進
森林の保全や再生、湿地の復元など、自然の力を活用した気候変動対策が注目されています。これらの自然に基づく解決策は、温室効果ガスの吸収量を増やし、生態系の回復にも貢献するため、COP29でも重要な議題となるでしょう。 - 損失と損害に関する議論の深化
気候変動による損失と損害に対する国際的な支援の枠組みは、COP28で合意されましたが、具体的な運用方法や資金調達の仕組みについては、今後の議論が求められます。COP29では、この議論がさらに深まり、具体的な行動計画が策定される可能性があります。
上記はあくまで10月時点での予測で、今後の状況によって変化する可能性があります。COP29の開催が近づくにつれ、より具体的な情報が明らかになっていくでしょう。COP29でどんな議論が行われ、どんな決定が発表されるのか、世界的に注目されています。
参考サイト:資源エネルギー庁 脱炭素ポータル WWFジャパン A-PLAT

❹ 参加メンバーは?
COPには、国家元首、政府長官などの政府代表団を中心に、非政府組織(NGO)、活動家、報道関係者のほか、環境問題に積極的な企業も参加しています。特に、再生可能エネルギーや環境技術を持つ企業は、自社の技術や製品をアピールしたり、国際的なネットワークを構築などの目的で参加します。
❺ グリーンエナジー&カンパニーの参加
セミナーでは、グリーンエナジー&カンパニーの鈴江社長がスピーチを行います。

NIKKEI脱炭素プロジェクトは、日本経済新聞社による日本の脱炭素社会を後押しする活動です。同じ志を持つ企業、有識者、政府関係者らが集い、脱炭素社会を現実のものにしていくために活動・発信する取り組みです。この「NIKKEI脱炭素プロジェクト2024」に、グリーンエナジー&カンパニーは参画しています。
このプロジェクトは、初年度よりCOPの場でセミナーを開催しています。今年も、開催地アゼルバイジャンの首都バクーCOP29会場内に設置されたジャパン・パビリオンから、LIVEでセミナー配信を行います。
グリーンエナジー&カンパニーの鈴江社長も、現地よりセミナーにてスピーチを行います!

気候変動が企業活動に及ぼす影響、国際的なルールメイキングと企業の向き合い方について確認をするとともに、プロジェクト参画企業各社の取り組みが紹介されます。日本企業が気候変動に対する取り組みでリーディングロールを果たし得ることをしっかりと伝え、そして脱炭素社会に向けた取り組みをより一層加速させるためには何が必要なのか、何ができるのか発信していきます。
セミナーはオンライン視聴(日本語同時通訳)が可能です。視聴申込を受付中ですので、皆さまご参加ください。
<開催日程>
開 催 日:2024年11月19日(火)
開催時間:【日本時間】15:00~16:15(アゼルバイジャン時間 10:00~11:15)
参 加 費:無 料
定 員:【オンライン】500名
申込締切:2024年11月14日(木)
▼お申込み(無料)はこちら
https://events.nikkei.co.jp/69445/
COPは、気候変動問題に対する国際的な取り組みの進捗状況を把握し、今後の動向を予測する上で重要な会議です。 政府だけでなく、民間企業も積極的に参加することで、気候変動対策はより加速していくことが期待されています。グリーンエナジー&カンパニーの鈴江社長の現地参加の様子など、レポートしていきますのでお楽しみに。
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